波形の中に、答えがあった

Code:Ripple v2 moka/ruri - モカの部屋でヘッドホンを着け、モカ(アクア髪・クリームのフリルブラウス・レスポール)とルリ(アッシュグリーン髪・Bass

——これは、ルリが加入して間もない頃の、モカとルリの話。


「ねぇモカちゃん、もしよかったら……定期的に、一緒に練習してもらえないかな?」

ある日、ルリが少しだけ恥ずかしそうに声をかけた。
その目は真剣で、でもどこか不安も混ざっていた。

「わたし、コドリプ入るまで、ちょっと音楽から離れてた時期があって……。
だから、モカちゃんなら、わたしの足りないところをちゃんと見つけて、アドバイスくれそうで。」

Code:Ripple v2 moka/ruri - テーブルでノートPCを操作するモカに、ルリが手を合わせて練習をお願いする冒頭の場面。マグカップ、壁の時計、ギターケース。

モカは一瞬だけ黙って、でもすぐに頷いた。

「うん。じゃあ、わたしの家で録音しながらやろっか。波形で見た方が、客観的に判断できるし。」


その日の夕方、ルリはスコーンの袋を大事に抱えてモカの家を訪れた。

「ルリ、ありがと。練習したあと食べよ」

モカの部屋には所狭しと並ぶ機材と、静かな熱が満ちていた。

ヘッドホンを装着し、音を出す。録る。聴く。
ひとつひとつを確認しながら、時間がゆっくりと流れていく。

Code:Ripple v2 scene - MacBook ProのDAW画面(波形トラック)を指差すクローズアップ。手と袖のみ写り顔は無し。録音波形を確認する描写の挿絵。

「ルリ、ここの入りちょっと遅れてる。波形見てみて」
「……確かに。いつもここ、少し待ちすぎてるかも。他の音を意識しすぎてるのかな……」

「ルリ、ここの音だけ不自然に弱い」
「あ、本当だ!弾き方の手順変えてみる……」

演奏して、録音して、確認して、また演奏して。
黙々と続く往復の中に、二人だけの会話があった。

Code:Ripple v2 moka/ruri - モカの部屋でヘッドホンを着け、モカ(アクア髪・クリームのフリルブラウス・レスポール)とルリ(アッシュグリーン髪・Bass

練習が一段落した頃、モカがふっと立ち上がって言った。

「スコーン食べよ。ミントティーとルイボスティー、どっちがいい?」

「え、モカちゃんありがとう!今日は……ミントティー飲みたいな」

あたたかい香りに包まれながら、ふたりは少しだけ肩の力を抜いた。

「ふぅ……やっぱりモカちゃんにお願いして良かった。ねぇ、これからもまたお願いしてもいい?」
「うん。ルリ、熱心にやるから。わたしにも刺激になるし、いいよ。
……それに、ブランクあったのに成長早い。負けてられないなって思う」
「え〜、モカちゃんには勝てないよ〜……でも、そう言ってくれて嬉しい!もっと頑張るね!」

Code:Ripple v2 moka/ruri - 練習後、笑顔でスコーンとミントティー/ルイボスティーを楽しむモカとルリ。背景にベース。集中が信頼に変わるラストの和やかな

部屋の中にあった“集中”は、いつの間にか“信頼”へと形を変えていた。

こうして、モカとルリの最初の練習会は、静かに、でも確かに、熱く終わった。

その夜、モカは録音した音源にタグをつけた。
ファイル名は、こう記されていた。

2024_04_moka_ruri_first_session.wav
“記録より記憶に残る音が、きっと未来を変える”

Code:Ripple v2 moka/ruri - モカの部屋でヘッドホンを着け、モカ(アクア髪・クリームのフリルブラウス・レスポール)とルリ(アッシュグリーン髪・Bass

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次