普段のモカは、あまり多くを語らない。
話すのが嫌いなわけじゃない。
ただ、言葉にするより早くて確実な方法が他にあると、いつも思っているだけ。
ギターがその最たるものだけど、
LINEだと、そうもいかない。
そんなモカがたどり着いた答えは…
LINEスタンプを作ろう。
構想は、春の窓辺から。

春の昼下がり、モカは窓辺でスケッチブックを開いていた。
カーテンが風に揺れて、暖かい光が差し込む。
「言葉にしなくても伝わるもの」
そんなことを考えながら、彼女は“感情のかけら”を線でなぞっていく。
会話って、ちょっと面倒だ。
相手のテンション、言い回し、タイミング……
一瞬で伝わるように見えて、実はノイズの多いコミュニケーションツール。
iPadに浮かぶ「私じゃない私」

その後、モカはiPadに向かい、
“自分をモデルにした2頭身キャラ”を少しずつ描いていく。
表情、ポーズ、セリフのバランス。
全部が「モカらしくてモカじゃない」、絶妙な線をたどっていた。
「検証」は、猫と一緒に。

夜になり、MacBookの前で素材を見つめるモカ。
机に手をかけた猫が、横でじっと画面を覗き込んでいる。
「ありがとう」「ちょっと待って」「……無理しないで」
そのすべてに、少しだけ“音”の代わりになる感情が宿っていた。
理由はひとつ。
“その方が合理的だから”。
いちいち感情を込めて喋るより、
ワンタップで気持ちを伝えられるなら、そっちの方が効率がいい。
彼女自身、こう言っていた。
「あれは私であって、私じゃない。
私の代わりに、私の感情を処理してくれる“ツール”なんだ。」
最初のテスト送信。

後日、事務所で。
アヤがスマホを覗き込むと、LINEの画面にモカのスタンプが並んでいた。
「がんばったね」「すごい」
画面の向こうで、デフォルメされたモカが感情豊かに手を振っている。
向かいの席では、本人が腕を組んでドヤ顔。
「……まぁ、言いたいことは伝わるでしょ?」
そんな声が聞こえてきそうだった。
スタンプは、もう一人のモカ。
表情豊かなスタンプの中のモカは、
どこか本人とは違うけど、確かに本人でもある。
ギターと同じように、言葉の代わりに心を届けてくれる相棒。
このスタンプは、
モカの“声にならない声”が届くように設計された、小さな合理。
それが、彼女なりのコミュニケーションのかたち。
感情はスタンプに任せよう。
普段は無口なモカが、LINEで感情を放出!?
「面倒なやりとり、スタンプで済ませられるなら合理的でしょ」
そんなモカが自らプロデュースしたスタンプがついに登場!
寡黙なギタリストが“あえて感情豊かに”作ったスタンプ、ぜひ使ってみてください。
もうまもなく配信開始!